2012年2月22日水曜日
家主向け保険が好調~背景は賃貸での“孤独死”が急増! <損保初>
病死や自殺などにより誰にも看取られることなく、
自宅でひっそりと逝く孤独死が増えている。
そんな悲劇が賃貸住宅で起きたとき、家主にのしかかる
原状回復費や家賃減額分を保証する新しい保険が登場し、
家主たちの注目を集めている。
昨年末、損害保険会社で初めてこの保険の販売を開始した
エース損害保険は「正確な集計はまだ」というものの、
「反響は予想以上に大きい」(同社担当者)と鼻息は荒い。
同社の「オーナーズ・セーフティ」の保険料の一例は、
年額3350円。
この場合、家賃6万円の30平方メートル以下の住宅で、
原状回復費100万円に空室期間中の家賃保証などを行う。
こうした保険に大いに期待が高まっている。
「ここ数年、賃貸での孤独死に頭を痛めている」と
賃貸業界関係者は異口同音である。
事実、東京23区だけでも孤独死の数は、2003~07年の
間に約1.4倍の4000件近くに急増している。
このうち、都内の単身世帯の持ち家比率は約23%(住宅・
土地統計調査~08年)にすぎないため、孤独死する人の
7割程度が賃貸住宅に居住していると見られている。
全国平均では、単身世帯の約57%が民間賃貸に居住する。
(金融広報中央委員会、10年度)
孤独死が起きた際、家主の被害額は甚大だ。
たとえば、浴室で手首を切って自殺した場合、
排水管ごと交換するため、100万円前後のお金が
必要になるという事である。
遺体が長期間発見されず腐敗した場合は凄惨を極め、
「原状回復費は数百万円。500万円近くかかるケース
もある」(業界団体幹部)
“事故物件”の家賃は、3~5割引きが相場。
死者に身寄りがないと、損害賠償請求もできず、
現状のまま放置する家主もいる。
別の業界団体幹部は「昔は賃貸=持ち家への通過点
だったが、今は終の棲家。
高齢化、非婚化で今後は賃貸での孤独死が更に増える」
家主のため息は深刻さを増しそうである。
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