約480キロに及ぶ海氷地帯を抜け、悪天候で孤立した
米アラスカ州西部沿岸の町を目指して航行を続けていた
ロシアのタンカーが14日夜、米沿岸警備隊の砕氷船に
先導されて目的地に到達した。
沿岸警備隊が明らかにした。
海氷に覆われた海を抜けて燃料を届けるのは
史上初の試みだった。
ロシアのタンカー「レンダ」は130万ガロンの
石油製品を積み、沿岸警備隊の砕氷船「ヒーリー」の
先導で、アラスカ南部のアリューシャン列島を通って
北極圏の町ノームに到着した。
今後は氷の状態やパイプの安全性などを点検後、
補給作業を開始する。
ノームの町は、ロシアとアラスカの間に位置する
ベーリング海が11月の悪天候で海氷に覆われたことから、
通常の船舶を使った燃料の補給が受けられなくなり、
レンダに燃料の運搬を要請していた。
燃料は3月まではもつ見通しで、直ちに燃料を使い果たす
状況には至っていないが、3月になると補給は
さらに難しくなると判断した。
燃料の空輸も検討されたが、町の需要をまかなうため
には300回以上の飛行が必要になることが分かり、
砕氷船を使った運搬作戦が実行された。
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