2011年12月30日金曜日

ユーロ急落、10年半ぶりの安値水準 一時100円06銭




29日のロンドン外国為替市場でユーロが売られ、

対円で一時1ユーロ=100円06銭近辺まで急落した。

同市場で2001年6月に99円85銭をつけて以来、

約10年半ぶりの安値水準。

欧州債務危機が早期に収束する兆しがみえないとの

懸念が広がったためで、1ユーロ=100円割れが目前に迫った。


このままの水準で円高ユーロ安が定着すれば、

日本の輸出関連企業の経営をさらに圧迫することになる。



ロンドンに続くニューヨーク市場でも100円10銭台をつけ、

現地の午前8時半現在、1ユーロ=100円13~23銭。

東京市場でもユーロは大幅に売られた。


29日には、イタリア政府が行った長期国債の入札で

落札利回りが6・98%となり持続的な財政運営が困難な

「危険水域」とされる7%台をわずかに下回る水準となった。

このため危機再燃への不安が拡大。

年末で取引参加者が少なかったこともあり、

相場が過剰反応して下げ幅を拡大した。



対ユーロの円相場は今年4月に1ユーロ=123円台の円安

ユーロ高だったが、危機がイタリアやポルトガルなどにも波及。

欧州諸国の対応も後手に回り、ユーロの信認が低下した。


第一生命経済研究所の田中理主任エコノミストは

「年明けから春先にかけてイタリアは大量の国債の償還や

入札を控えている。

フランスの格下げ懸念などリスク要因がめじろ押しだ」と指摘。

来年1月末には欧州連合(EU)首脳会議が開かれるが、

足並みをそろえられなければユーロ売りがさらに加速しかねない。





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